

一日一日を大切な区切りと意識し、ご利用者が食べたいものをいつでも楽しめるよう工夫を重ねています。
特別養護老人ホーム大仙もずの音
管理栄養士N.Mさん
PROFILE
大学で栄養学を学び、2012年にみささぎ会の特別養護老人ホームへ管理栄養士として入職。その後、ムース食の導入やご当地メニューの企画・実施などを通して、ご利用者が食事を楽しめるよう日々創意工夫を重ねているほか、法人が運営する保育園の調理業務にも従事。幅広い世代の食を支えている。
入職のきっかけ
大学では食物栄養学を4年間学び、就職にあたっては直営の高齢者施設で、高齢者の方に寄り添いながら働きたいという思いがありました。特に、できるだけ長く、最期まで食事を楽しんでいただけるよう支援したいという気持ちから、ムース食の導入に挑戦したいという目標も持っていました。そんな時に大学で見かけたみささぎ会の求人票には、管理栄養士が日々の食事にしっかり関わっている様子が紹介されており、自分の目指す働き方に近いと感じたことが入職の決め手となりました。

食事は命の源。だからこそ、一日一日を大切にした工夫を重ねています。
働く上で意識しているのは、今日という日を一生懸命やりきれたかどうかということです。高齢者施設では、次に出勤するとご利用者の体調が変わっていることも珍しくありません。学生時代に食事は命に関わるものと教わり、実際に現場でご利用者の最期に立ち会った経験から、管理栄養士として、食べられなくなるまで、ご利用者にできるかぎりおいしく食事を提供したいという思いが芽生えました。亡くなられたご利用者のご家族から「最後までここでご飯を食べられて良かった」と言っていただけた言葉は、私がこの仕事を続けてきた意義を改めて深く実感させてくれました。一日一日を尊び、ご利用者に「食べたい」を形にできるよう、これからも工夫し続けたいと思っています。

異なる世代の食に向き合うことで、幅広い好奇心が刺激されます。
2022年に、法人の企業主導型保育園の献立を担当する機会をいただき、保育園の調理業務も兼務するようになりました。0歳・1歳・2歳の離乳食から100歳超の高齢者向けムース食まで、食べる内容や注意点がまったく異なります。高齢者にはしっかりと味を感じられる少し濃いめの味付けや揚げ物メニュー、保育食ではアレルギーや離乳段階などに応じた調整といった違いがある中で、最初は戸惑いもありました。しかし今では、まったく違う調理を一人で任される楽しさに好奇心が勝ち、日々の業務がスキルアップの機会となっています。こうした経験の幅が広がる環境は、他にない大きな魅力だと感じています。

チャレンジを後押ししてくれる職場で、温めてきた構想を形にしたい。
みささぎ会では、自分のやりたいことに挑戦できる後押しがあるのが魅力です。ムース食の導入では、手作りでの試行錯誤のなか、理事長が市販品と併用してみようと提案してくださったことが大きな転機となり、導入が加速しました。現在は、ご当地メニューを取り入れた献立も実施中です。プライベートで熊本を訪れた際に味わった美味しさを、ご利用者にも楽しんでいただきたいという思いから企画したものです。何かを始めようと思ったときに、職場のみなさんが一緒に楽しみ、背中を押してくれる環境は、本当に恵まれていると感じます。10年以上にわたって携わってきた今だからこそ、「食事形態を問わず、ご利用者とご家族が一緒に楽しめるレストランのような空間を施設内に作りたい」という夢を実現していきたいです。多くの人の協力を得ながら、ゆっくりと形にしていけるよう努めていきたいと思います。
一日の流れ
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8:00
出勤・朝礼
厨房スタッフへ挨拶し、昼食・おやつの準備を行った後、全体朝礼に参加します。
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9:00
納品対応
業者からの食材納品に対応します。
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9:40
検食
昼食提供に向けて、味や衛生の確認を行います。
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10:00
盛り付け・配膳
調理済み昼食の盛り付けと配膳に取りかかります。
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12:00
巡回
各階を回り、ご利用者の昼食の様子を確認します。
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13:00
昼休憩
休憩室でゆったり過ごします。
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14:00
書類作成
献立作成や栄養マネジメントなど、デスクワークに取り組みます。
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17:30
退勤
翌日の準備を終えて、退勤します。